プライドは捨てた方が良い時もあるかも

昨夜のNHKで古代中国の伝説みたいな話をやっていた。*1
ながら聞きだったので、大分うろ覚えなのだけど、官僚の試験に合格した二人の男のうちの一人が、なぜか虎になってしまう話で、その虎がこんなことを言っていた。


「私の夢は、私の書いた詩が世の文化人の机の上に置かれることだった。しかしその夢はついに叶う事は無かった。それが私の人生の唯一の心残りだ。」
「故郷では詩人と呼ばれ、本当に詩句の道を目指していながら、私は表立って自分の詩を発表することも、他者と競い切磋琢磨する事もしなかった。それは結局の所、自分が恥を晒すのが怖かったからだ。ただ弱い自分の自尊心を守るためだったのだ。」
「…そのために俺は虎になってしまったのだ。」


自分の境遇にも重なる部分があって、妙に印象に残った。
自分の作品を公の場に出すことで、恥をかいたり、自分のちんけなプライドが傷つく事を恐れて、自分の世界にこもっていてはいつまでたっても一流にはなれない。そしてそれは一生の心残りになる事だし、そうした生き方は人の正しい生き方ではない、という話だと思う。(うろ覚えでここまで勝手に創造するのは行きすぎな気はする)


しかし小心者の作家というものは、古代中国の時代からいるものなのか…

*1:山月記という話で実は最近の著作らしい